土曜日の日没から日曜の夜明けまで Nuit Blanche でした。玉石混淆ぶりがよく、無料だし毎年それなりに楽しんでいるのですが、午前1時2時ともなるとただの酔っ払いが雄叫びをあげそぞろ歩いているだけのような雰囲気もあり。ハロウィーンを先取りしコスチュームを着て練り歩いている人もいてサービス精神旺盛。

大きなプロジェクターにライブで刺繍しているところを見せるアート。私は毎日こんなことをして家で独り遊んでいるので珍しくもなんともないアートですが、世間一般が「無駄」と思っていることを物々しくやる、というのが「無料パブリックアート」の醍醐味でしょう。

これは絶滅してしまった動物の被りモノをしている人たち。特に何もせず舞台の上で読書したり、紙飛行機を作って飛ばしてきたり。ここまでは多忙な教授も付き合ってくれました。ここから先は独りで回りました。

アイウェイウェイの自転車。先ほどの椅子と比べると「ちらし寿司とにぎり」ぐらいの違いがありますかね。

2台の車が8の字をぶつからずに描きながら自動運転しているアート。私の隣にいた若い子が「ぶつからないとつまらない!これってトヨタかなんかのマーケティング・キャンペーンじゃないの!?」と叫んでいました。走っていた車はトヨタ車ではなかったと思うけど、トヨタ車に対し20代前半の北米の若者が持つイメージが発露された瞬間でした。
さらにその前のコンクリートの壁にはドイツの詩「The rose is without why. It blooms because it blooms. It cares not for itself, asks not if it is seen.」が蛍光灯で書かれていました。これも若者たちが「意味ワカンネー。多分、The rose doesn’t give a shit. ってことだよね」と話し合っていました。ま、そういうことですよね。正解だと思います。ありがとうございます。
パブリックアートとは鑑賞者の本音を大声でその場で叫ぶことができるものなのだと感じた一夜でした。

