何故ポルトワインを売っている会社はみなポルトガルっぽい名前ではなく、英語っぽい名前のでしょうか。テイラーズ、サンデマン、コバーン、チャーチヒルなどなど。それは私の長年の疑問でもありました。テイラーズの酒蔵に行ったときに聞いてみましたが、あの甘いポルトワインを発見し外国へ輸出したのはイギリス人だから、ということだそうです。昔はスコットランドの羊毛と交換していたし、今はポルトワインの使用済みのオーク樽をスコットランドに運び、ウィスキーを寝かすのに再利用しているという話でした。テイラーズの人の話によると世界22カ国に輸出していて、葡萄が不作に見舞われても輸出し続けることができるほどの巨大貯蔵量を保っているのだそうで… なんだか有り難味が薄れました。
昔はこんな船でワイン樽を輸送していたらしい
ポルトにもある老舗デパート「El Corte Inglés」に行くと、その地下一階のワインコーナーには普段用のポルトと特別なポルトが溢れるほど陳列してあり必見。それほど頻繁にポルトワインを食前食後に飲むということもないけど折角だから買うことにしました。ボトルを開けても長くおいしく飲めるものなのかどうかすらわからなかったので尋ねてみると「ビンテージ」のポルトワインはボトルで醸造しているので開けたらすぐに飲まないとダメで、ビンテージでなければウィスキーのように長く持つということでした。10年ものとか30年ものとかいうのも、「平均して10年、30年」になるようにいろいろな年のワインを混ぜ、そのブレンドの仕方が腕の見せ所であり金の儲け所でもあるという。ふうん。
ルビーとタウニーを買ってきましたが、実は一番感動したのは白のポルトワインにレモンスライスと氷を入れて振舞われた食前酒で、暑い日にはなかなかすっきり爽やかだったのでした。でも買うのを忘れた…
地元ポルトガル人に聞けば、有名じゃなくて小さなワインメーカーはいろいろあるし、ワインは自宅で作る人も多いから、と言っていました。そういえばトロントにはポルトガル移民も多くて、彼らの多く住む地域に行くと庭に葡萄棚が作ってあって、自分でワインを作る人も多いよね。ワインを愛する民ということかな。鱈を捕るポルトガルの漁師がカナダまでやってきて住み着いたってポルトのタクシーの運転手が言っていたけど本当かな?
ポルトワインに限らず、ポルトガルのワインは白も赤も美味しく、毎日毎日食事に合わせ、デザートに合わせて、いろんな種類を飲みました。リバークルーズの昼食にも二人で一本の赤ワインが振舞われていました。教授の学会でも昼間から大量のワインが無料・無制限に振舞われていてスゴかったとのこと。

