FB で2ちゃんねるの人と鳥飼玖美子の対談を見て、この本を読もうと思ってポチリと購入。Kindle アプリで読みました。人に貸してあげたいけど貸せないよぉ!電子書籍ってこういうときイヤね。扇動的な帯をはずせないのもイヤじゃ。
英語教育に関わっている人には今更な内容ですが、もういちど問題を総括してみましょう、という感じで読むといいかも。私も英語教授法は勉強したのでササっと済ませた章もありました。読むのが面倒だな、という場合はこのYouTube見るだけでもいいかも。この対談そのものが日本語話者同士でも異文化に属する人たちの「異文化コミュニケーション」だから面白いよ。
私は英語公用語化は反対。日本国内に植民地を作ってるみたいでイヤね。でも楽天は KOBO を買収しているからカナダの KOBO で働く人は全員英語ができないとダメというならわかる。でもさ実際問題海外に進出する企業は移民法の問題にぶつかったりするし、進出した先の国での雇用創出を迫られるから、現地採用するよね。だから結局は一握りの人がバイリンガルであればいいということになると思う。
それに従業員の脳のキャパをそんなことに使ってどうするの?とも思う。私自身は職業柄、テレビや映画を観ていても、ネットで記事を読むときも、わからない言葉はメモって単語帳作っているし、音読もするし、英文の写経もする。それは内容を理解するというより、ニ言語で両方の言葉を知るとか、専門用語を把握するためとか、という語学上の修練。クリーニング屋にクリーニングをお願いするように、通訳に頼めば?と思う(と鳥飼さんも言っています)。プロのクリーニング屋に出さなければならないシャツと洗濯機にブッ込むシャツを自分で仕分けするように、コミュニケーションも通訳を雇ってまでやるべきものとそうでないものを自分で考えることで賢くなれるかもしれない。
外国語習得はいいことだと思うけど、日本国内で外国語を学ぼうとすると高くつくよね。私は20歳頃から英語を習得するために日本でいろんな学校に通ったのでかなり散財したほうです。散財した結果気付いたのは、お金を使わないでコツコツやった方法が一番身に付いた、ということです。私の場合は NHK のビジネス英語のラジオ番組。ありますよね、いろんな語学が学べる番組が。アレです。テキストが本屋さんで当時200円ぐらいでした。楽天で英語学習の教材を積極的に販売しているのを見かけたら「怪しいな」と思っていいんじゃないでしょうか(笑)
私は通訳翻訳の現場にいるので鳥飼さんのいわんとすることはよくわかります。母国語でちゃんと話したり書いたりすることができる母国語の言語運用能力がはじめにありきだと思う。クライアントが黙ってしまうと私も黙るしかありません。クライアントに「質問を適当に見繕って」とか「イイカンジに英語で書いて」とか頼まれると困ります。クライアントが光るように努力はしますが。
とりあえずは、鳥飼さんの本を読んで、友達同士で議論して、自分の意見がどれぐらいうまく言えるかというコミュニケーション能力を試すところからはじめたらよいのではないでしょうか。
あと、鳥飼さんがリストしている「参考文献」が面白そう。
今思い出したけど、日本帰国中に母親が「楽天と、ソフトバンクと、どっちが好き?」といきなり聞いてきて、そのときは将来性の点で私なりの意見を述べましたが、もしかするとこの英語公用語化のことも含めて知りたかったのかな?

