激ヤセのホアキン・フェニックスが、ちょっと怖い。
サイエントロジーをうっすらとなぞっているらしく、トム・クルーズも観て一部お気に召さなかったらしいです。そんなことより、カルト教団と救いを求めている(?)人の両者の心のヒダが、「そうだろうな…」と納得できるような感じで描かれています。でもその心うちが複雑深遠で、何かの答えを期待している人でなくても「どこに行くのっ、このストーリー!」と途中で思ってしまいます。ま、その、彷徨いぶりがこの映画の主題なのかもしれませんが。
話の落ち着きどころはどこなのか不安になるものの、迫力の演技でグイグイ引っ張られてはいきます。「マスター」のとてもカラッポなお説教も、そのカラッポぶりが見事です。最後は、私としてはちょっとホッとしました。
タイトルが「ザ・マスター」と主従関係をほのめかしているのですが、一体誰がマスターなのかという点においてもちょっと考えさせられます。己が己のマスターになることだってあり得るんですから。
娯楽映画じゃないから、こういうの苦手な人も多いかもしれないけど、アクション、ホラー映画が苦手な人には、おすすめです。私はこれ見た後に教授と色々と語りましたよ。
http://www.imdb.com/title/tt1560747/
余談ですけど。。。
この映画の始まる前のコマーシャルで TTC のメンテナンスをやっている人たちのコマーシャルが長々とやっていたのですが、私はものすごく腹立たしく思いました。裏方の仕事を紹介するようなコマーシャルだったら問題なかったけど、「誰があなたたちの給料出していると思っているの?」とイライラするほどの自画自賛のヒーローぶりでした。私は普段 TTC の従業員に対して悪感情は持っていないのですが、普段から否定的な感情を持っている人が見たら、「許せないー!」と劇場退場しかねないほどバカバカしかったです。是非観てねー!

