マリコ・ジャーナル

今更…な本ですが、先週のブックスワップで見つけたから読みました。88年から89年までのアンアンに掲載されていた林真理子のエッセイ集。私は当時も「旬ネタ」としてアンアンの中で読んでいたものですが、23年後にこうして読むとちょっとした近代女性史です。彼女に煽られた女子は多いから影響力は強い。私は林真理子の女性観(?)男性観には好意的じゃないけど、イジワルで妬みのこもった感じとか、時々見せるするどい観察はやっぱり面白いね。

女子の人生って世代に大いに影響受けるよね。私は男女雇用機会均等法の施行後に就職したので、その前の世代の「戦いモード」の女性や、「シバ漬け食べたい!」のキャリアウーマンとはやっぱり違う。前世代の女子の功労にのってしまっている世代で、遊ぶために働くぞ!気に入らないことがあれば転職するわ!の世代。嗚呼、まさにワタシ。あのまま日本にいたら雇用氷河期突入でどうなっていたことでしょう。うまい具合に好景気のアメリカに引っ越してしまったので、コロコロ転職してました。

逆に、私の下の世代、不景気が長引く日本で学校を卒業して就職に苦労した女子たちを見ると、お金についてしっかりしてるな、とか、起業精神あるな(たぶん企業への就職に期待してないから)、などなど驚かされることもあるし。

このエッセイにちりばめられてるファッション用語、ブランドが当時の時代のアイコン、シンボル、象徴なので、若い読者に再読をすすめるには、脚注が必要かと思われます。ある意味、その脚注入れての再版のほうがかなり魅力的かもしれません。バブリーな日本、ブ男に「オマエ、ブ男のクセにえらそうなこというんじゃないわよ」と女子が公然と逆差別的に発言し始めたあの頃。オヤジの価値が急降下し始め、草食男子の誕生にいたったきっかけのような気がいたします。

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