encampment って野営のことです。
Luminato というアートイベントが毎年トロントのダウンタウンで開かれるのですが、その一環の野外無料イベントが Fort York でありました。ここは 1812 年戦争でアメリカとイギリスが激しい攻防戦を繰り広げた場所で、今は史跡。そのすぐ横には今もカナダ軍の施設があるところです。
今年は 1812 年戦争の 200 周年ということで、ちょっとだけ 1812 ブーム。この土地がアメリカ領にはならずカナダという国の建国に至ったわけなので、カナダ人にとっては重要な歴史的事件なのですね。この間、ナイアガラの滝の上を綱渡りした人を見物するためたくさんの人がナイアガラに押し寄せてましたが、あの辺もアメリカ軍とイギリス軍が激しく戦ったところなのだそうです。日本では 1812 年戦争までは習わないけど、アメリカの「独立戦争」についてはで習う(今も習う?)よね。でも案外アレって、「どこの国からの独立戦争だったか」忘れがちですよね。それを思い出すと、1812 年戦争がよく理解できると思うな。
こんな風に野営っぽく、白いテントが無数に張られていて、夜はランプの灯りで幻想的!

周辺はすっかり開発が進み、高層マンションが360度立ち並んでいます。この写真に移っている高速道路があるところまではかつて湖で、今は埋め立てが進み湖畔はずーっと先です。
段々暗くなっていきます。

各テントの中には戦争に因んだアートが飾ってあって、テントの幕をいちいち開けてみていきます。何が入ってるかわからないのでちょっと怖いけどお楽しみ!
中に入ると、戦争のことを記した手紙や、石、焼け焦げた木、人形などが飾ってあります。順番はないから、どこからはじめてもよくて、でもテントをいろいろ巡っているうちに、少しだけ戦争の「お話」を聞いているような気分になります。「血糊」を表した赤いフェルトがビローンと中にぶら下がっていたり、恋人の手紙があったり、背信の罪に問われた人たちを表したアートだったり、ワケが分からないものだったり… たまに、先客がテントの中にいて、生身の人間にビックリしたり…
テントは低いので、子供目線のアートが多く、子供は大騒ぎで走り回っていました。みんな自分のペースで勝手に、ペロンペロンと幕を開けて覗いてました。
日曜日でもう終わってしまうんだけど、とても楽しいステキな「野営」でした。
戦争とは関係ないけど、「Upper Canada」という言い方を何故するのか私にはよくわかりませんでした。トロントのあたりが「Upper」でモントリオールのほうが「Lower」なんですよ!モントリオールのほうが北にあるのに。そしたら、セントローレンス川はトロントからモントリオールに向かって流れて大西洋に注がれているので、トロントのほうが「上流にある」ということなんだそうです。勉強になりました…
