遂にアテネについて書こうと思います。どうしてアテネに4泊することになったのかは聞かないで。
アテネのホテルを私がインターネットで見つけて予約したけど、これがまあド貧民街にあって、アテネ郊外在住のギリシャ人に「どこに泊まっているの?」と聞かれ答えたら、眉毛をひん曲げて「 … 」と無言でした。なので私も無言で返しました。
でもホテル自体はすごく素敵&きれい&サービス抜群で、何でも根堀葉堀と聞く私に親切に対応してくれました。近所でどこのコーヒー屋がうまいか、ベーカリーは?銀行は?ビーチ行くなら?とオススメを毎朝聞きまくっていました。結局コーヒーはルームサービスでとってたけど、清算するとき「もういいよ」と言ってくれました。ちゃ~んとシルバーのコーヒーポットで出てきたんだからスゴイよね!
その貧困ぶりなのですが、ちょっと年配の人とか肌が浅黒い人(移民?)とか、やっぱり失業者が多いようで、昼間からブラブラブラブラしていて危険を感じるわけじゃないけど、スリ程度のことは平気でするわな、というレベルでした。住宅街なんですが、5歳ぐらいの女の子が地べたに座って物乞いをしている姿は痛々しかったです。お腹がすいていたのかも。毎日同じところに座ってました。私たちは夜型なので、ホテルには毎晩午前1時とか2時に帰っていたのですが、夜はシ~ンと静まり返っていて、別に誰も外を歩いていませんでした。独りだと不安に感じるけど、二人だと別に危険を感じるようなところではありませんでした。
観光客が宿泊するところは大使館が並ぶところあたりがほとんどだと思うのですが、そこは比較的きれいです。そして場所によって、食べ物の値段がものすごく違います。どこの町でも観光客が好む場所と一般市民が買い物するところは値段が違うものですが、アテネの格差はすごかったです。そして、お金のあるギリシャの若者が集まる地区に夜遊びに行ったのですが、どこの店も満員、大繁盛で、むしろアメリカのほうが不景気を感じるぐらいでした。しかも人気の遊び場なようで、ドリンクの値段も結構高い。ドイツ人がこれを見たら複雑な気持ちになるだろうなと思いました。
それでも、人間ウォッチング&盗み聞きを趣味としている私には、ものすごく楽しかったです。ギリシャ語はさっぱりわからないので、英語話者を盗み聞きしまくってましたが。
アテネでは教授はホテルにこもって仕事をしていたので、昼間は独りであちこち歩いたのですが、観光地よりアテネの町の様子を見て歩くのが楽しくて、貧乏そうなところばっか歩いていました。何故か私の携帯電話が使えず、地元ギリシャ人に電話を借りて教授と連絡を取っていましたが、みんなすごく親切に自分の携帯を私に差し出してくれました。私がお礼に小銭を渡そうとするとみんな「イラナイ」と言って受け取ってくれませんでした。
バルセロナでも壁の落書きはすごかったのですが、アテネはもっとすごかったです。なんかものすごく「怒り」が現れていました。たま~にゲージュツ的なものもありましたが、ほとんどが「市民の怒り」でした。壁もシャッターも平面は落書きで埋め尽くされていたと言っても過言ではありません。映画「ゴモラ」を思い出しました。
またアテネに行きたいか、と聞かれたら「もういい!」と答えますが、社会見学としてはものすごく面白くて、ゲトーの中にあったホテルに泊まって本当によかったと思います。でもあのエリアね、絶対開発が進むよ。追い出される地元住民には悪い知らせだけど。交通の便がよすぎるもん。





