「翻訳家・柴田元幸と作家・古川日出男の文学対話 ~FUKUSHIMA後の日本文学~」というのに夕べ行きました。一応翻訳業に携わっている身なので柴田さんをナマで見たかったし。
おほっ。イベント開始前に柴田さんとサシでお話しましたわ!気さくで好奇心たぷりな方でした。私の方が質問されました。
古川日出男と柴田元幸の対談が主だったけど、古川さんがしっかりとよく話す人だったので、みんな引き込まれるように静聴していました。FUKUSHIMA 後の日本文学ということで、話はまず「3月11日に何をしていたか」から始まり、そこから何をどんなふうに書き始めたかということに触れ、古川日出男、川上弘美、詩人の小澤實がそれぞれ、今回の震災後に書いたものを朗読、その英訳もカナダ人が朗読しました。創作の苦しみやその経過を知ることができてとてもよかった。私も書くのが好きなので勉強になった。英訳も参考になった。通訳もすごくよかった!きっとすごく準備したんだと思うな、あの通訳さん。
古川さんが 311 という呼び方が 911 みたいでキライだと言っていたので、今後、震災の影響を受けた創作活動はどうなるの?と思って質問もしました。質問はね、911 後の10年を振り返る特番がテレビや新聞でたくさん組まれたけど、アメリカとカナダではその振り返り方が違ったし違って当然だと思うけど、震災後10年経ったときに何か書きたいか、書くとしたら何を書きたいか、誰に向けて(日本人か世界に向けてか)書きたいか、ということを知りたいと思ったのでした。でも、答えは「10年後のことはわからないですよね」みたいなことだったんですけど。←別に10年という単位にこだわったんじゃないけどね。でもきっと10年の節目に「何か書いて」って言われるかもしれないしさ。でもイベント後、川上弘美さんが「いい質問でしたよ」って言ってくれた。社交辞令かもしれないけど、わざわざ言ってくれたんだから喜ぼう。
それでパネリストの人全員に握手を求めて帰ってきたわけですが、古川さんと握手してるときに福島出身の人だし、
「あ、私、編み物で支援活動してるんですぅ~」
って言ってみましたが、やっぱりこの「編み物」という言葉の与えるイメージに問題アリかも、と思いました。というか、そんなことをわざわざ言う私に問題があるのかも。
そんなわけで、人一倍楽しめてヨカッタっす。

